プロジェクトX

NHKプロジェクトX問題がまたまた話題になっている。
今回の問題は、淀川工業高校グリークラブ男声合唱団))の創立から発展までの記録だったのだが、以下のような放送内容に多々問題があった。

  • 当時の淀川工業は荒れていて年80名くらい退学者が居た
  • そのシーンのバック画像は暴走族の画で荒れている印象を強める物だった
  • 淀高は音楽とは全く縁遠い学校だった
  • 初めて淀高出場のコンクールにはパトカーが出動した

等々。
未確認情報だがそれに加えて、グリークラブの顧問の先生へのプレビューで先生が修正を申し入れたが、NHKが色々言い訳をして結果として対応しなかった、という話を他局(報道ステーション)では放送している。

実は、私は15年ほど前に3年間で約20回淀工に通い「吹奏楽部」のビデオ取材を行った。ので現場での話は色々聞いているのだが、

  • 淀工はすぐ近所にサンヨーの本社や松下の大きな工場があり、工業地域の中核として数多くの卒業生を送り出しており、決して「行き場のない工業高校」ではない
  • グリークラブが発足する10年ほど前から吹奏楽部があり、グリー発足時には既に全国トップレベルになっていた(しかも部員は当時でも100人以上)。音楽室も音楽の教諭も居ないのは事実だが、既に音楽の素地はあったことは間違いない。
  • 顧問の先生は、合唱部の為に呼ばれた、という説もある
  • 生徒へのサービスの「餃子券」も他のクラブのマネだった、という話を学校で私自身聞いたことがある

といった感じ。

プロXは当初こそすばらしい番組が多かったが、ここ2〜3年ひどい内容の物が多い。少し技術が分かる人であれば、番組で取り上げる「大変な障害」がどう考えてももっと重要な問題がアルトしか思えない物が多く、制作者の都合で「ドラマ」にしている感がぬぐえない。
と思っていたら、先日の朝日新聞の投稿で、番組に取り上げられた会社のOBがOB同士で「あの話の切り口はおかしい」との憤りの会話があった、との話が出た。さもありなんである。

まあ、少なくとも半分以上の番組が取り上げた企業が何らかの資金を出した、としか思えない番組が並んでいるのが現在のプロX。まあ、作成しているのもNHKではなく「株式会社NHKエンタープライズ」だから、NHKにとって何の問題とも感じてないだろう。
先日、元コクドの堤会長が保釈金を積んでの釈放直後に、東京オリンピックと絡めた赤坂プリンスホテル建築の話を、プロXでやっていたのにはあきれてしまったが。

結局NHKの体質は、全く変わっていないということ。
以前から言い続けて実行していない不払いだが、いよいよ実行の時か。